治療をしているのに眼の傷がなかなか治らない場合があります。
当然重篤化している角膜潰瘍の可能性もありますが、SCCEDsという病気の可能性もあります。
SCCEDsは別名「難治性角膜上皮びらん」といわれ、なかなか治らないのが特徴です。
角膜の上皮という膜が、しっかりと角膜の実質にうまく定着しないことで、剥がれてしまう病気です。
治療はさまざまありますが、当院では角膜格子状切開orダイアモンドバー+コンタクトレンズ挿入等の治療を行なっております。
治療をしているのに眼の傷がなかなか治らない場合があります。
当然重篤化している角膜潰瘍の可能性もありますが、SCCEDsという病気の可能性もあります。
SCCEDsは別名「難治性角膜上皮びらん」といわれ、なかなか治らないのが特徴です。
角膜の上皮という膜が、しっかりと角膜の実質にうまく定着しないことで、剥がれてしまう病気です。
治療はさまざまありますが、当院では角膜格子状切開orダイアモンドバー+コンタクトレンズ挿入等の治療を行なっております。
更新日:2022年1月31日
僧帽弁閉鎖不全症は、中高齢の小型犬に多く見られる病気です。
左心房と左心室の間にある僧帽弁が分厚く肥厚して、しっかり閉まらなくなること
で通常、左心房から左心室にいく血液が、左心室から左心房へと逆流してしまいます。
少しずつ逆流により左心房にかかる負担が増えることにより左心房が大きくなっていきます。
また、その圧力に耐えれなくなった時に肺に負荷がかかり浮腫となって「肺水腫」
を引き起こします。内科治療では完治を目指すのではなく、安定化を求めるものな
ので、個人差もありますが、必ず少しずつ進行する病気です。少しでも元気に長生
きしてもらう治療になります。
僧帽弁閉鎖不全症の診断をし、治療を開始。1年後に肺水腫を起こした子になります。
2019 (左室長軸断面)
LA:左心房 LV:左心室 1年で左心房が大きくなっています
2020
2019 (心基部短軸断面 )
LA(左心房)/AO(大動脈)比 によって左心房の
大きさを測定します。
2020
2019 (左傍胸骨像)
逆流速と波形を見ていきます。悪化すると
鋭い波形になります。
2020
2019(右短軸 Mモード)
左心室の拡張状態をみます。1年で左心室も
拡張しています。
2020
当院の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、内科治療になります。
僧帽弁閉鎖不全症はステージを見て、治療計画を立てていきます。
悪化しているか、また悪化している場合は、どういう状態になっているのか
をしっかりと判断する必要があります。
更新日:2020年6月25日
オスの猫ちゃんで、尿閉症(尿道に結晶などがつまる)を繰り返すことで
慢性的な尿道炎をひきおこし、尿道が狭窄して排尿できなくなる場合があります。
尿閉症は緊急を要することが多く、数時間で死亡する場合もあります。
現在は、フード療法によって、完全閉塞の子は見られなくなっておりますが
完全閉塞した場合は緊急手術が必要です。
当院で行っている会陰尿道瘻手術は、ペニスの包皮を内部に反転させ、
狭窄したペニスを切り取り、太い尿道部分と接続させる方法になります。
非常に繊細な手術になりますが、見た目もよく、術後閉塞が少ないと
されています。従来の手術法のようなケアも必要ありません。
1.包皮と尿道の縫合
(糸は6-0を使用、カテーテルは7or8Frが入る太さになります。)
2.外観例
更新日:2019年9月18日
犬の乳腺腫瘍は年齢、犬種、サイズなどによって変動するものの
比率は小型犬で約25%、中大型犬で58.5%の割合で悪性腫瘍の
可能性があります。猫では80〜90%が悪性腫瘍の割合になります。
治療法は第一選択が外科手術になります。(炎症性乳癌を除く)
また摘出方法も部分摘出〜全摘出になりますが、飼い主様と
話をして、ご理解していただいた上で手術を行います。
術後は病理検査に送り、良性か悪性かの判別、悪性度の評価、
脈管浸潤の有無、リンパ節への転移がないかを明確にし、
その後の治療を行なっていきます。
※乳腺腫瘍は早期避妊手術により、その発生を抑えることができます。
写真は片側全摘出を行なった、わんちゃんの画像です。術後
術後1週間
術後2週間
通常、広範囲で乳腺を摘出する場合はドレーンチューブを留置し、3日
ほどで抜去します。(術後は漿液が溜まることがあるので)
抜糸を行うのは術後7〜10日ほどになります。
更新日:2017年10月6日
わんちゃん、ねこちゃんは
おもちゃや石、その他色々なものを飲み込んでしまうことが
あります。
※特にまだ若い子は注意が必要です。
飲んだ物によっては
①吐かせる
②内視鏡で摘出する
③お腹を開けて胃または腸をきって直接摘出する
という方法があります。
この子は石を食べてしまいました。症状はありませんでしたが
胃から腸に流れた場合、腸に詰まってしまう可能性がありました。
内視鏡にて摘出できました。
レントゲンだと石は白くうつります。しかしプラスチックや
ビニールなどはレントゲンではうつらないことが多いので、
その場合は症状の経過をみながらエコー検査、バリウム造影
検査、場合によって試験的開腹を行う場合があります。
内視鏡だとこのようにうつります。専用の異物ネットで摘出
できました。
更新日:2017年5月23日
角膜穿孔とは角膜に穴が開いてしまう状態です。
原因は外傷や感染などさまざまですが、内科的治療に反応が
なかったため、結膜という部分を一部薄く切開し、フラップ
(かぶせて)角膜に縫合し癒着させる方法「結膜移植(結膜フラップ)」
を実施しました。髪の毛より細い糸で縫合するため手術用顕微鏡を
使い手術しました。片側の眼は感染がひどく、壊死している状態だった
ので残念ながら摘出しましたが、右眼は視覚はないものの、光を感じる
ことが可能なので、飼い主さんも満足されています。
手術前
手術後1週間
術後2ヶ月
現在は、目ヤニもほとんどでず、点眼も1種類のみで安定している状態
です。
更新日:2016年12月1日
椎間板ヘルニアはダックスフンドに多く、続いてビーグルや
コッカー・スパニエルが好発犬種とされています。
椎間板物質が脊髄神経を圧迫し、疼痛、麻痺を引き起こします。
繊維輪が断裂し内側の髄核が突出して脊髄神経を圧迫するHansenⅠ型
繊維輪が変性、肥厚を起こし脊髄神経を圧迫するHansenⅡ型に分類
されます。
その中で重症度評価としてGradeでわけられます。
Grade1:疼痛
Grade2:歩行可能な不全麻痺(フラフラ歩く)
Grade3:歩行不能の不全麻痺
Grade4:歩行不能な全麻痺、自力排尿不可
Grade5:歩行不能な全麻痺、自力排尿不可、深部痛覚の消失
症状や進行度、また飼い主さんとお話しして内科治療、外科治療
を選択していきます。
椎間板ヘルニアは診断が非常に重要な病気です。
当院では、脊髄造影検査を行っていますが、脊髄梗塞、脊髄腫瘍
、原因場所の特定できない多発した椎間板ヘルニアなどは脊髄造影
検査では判断できないことがあるため、CT、MRI検査が必要になる
場合があります。
その場合、信頼のできる病院へ、ご紹介させていただいています。
脊髄造影検査
手術画像
摘出した椎間板物質
更新日:2016年6月25日
俗に言う胃カメラです。食道、胃、十二指腸、大腸の内部の異常を見つけるために
使用します。動物では異物が多いですが、治らない嘔吐や下痢などの症状に対して
は口または肛門から挿入し、腸管内部の評価することが可能です。
異物以外の原因については、何ヶ所か組織を取り、病理組織検査を行い評価します。
内視鏡はお腹を開けずに、腸管の内部を観察するのに非常に有効ですが、全身麻酔
による検査になりますので、老齢の子では合わせて血液検査やレントゲン検査を行
うことになります。
また小腸までスコープが届かないため、すべての腸管内部を評価することはできま
せんが、非常に有力な検査になります。
更新日:2015年9月25日
暖かくなると、外でケンカをして帰って来る子がよく来院されます。
通常は、腫れ、化膿し、強い痛みを伴うことが多いです。
当院での治療は、必ず患部周囲を大きく毛刈りし、しっかり生理食塩水で
洗います。おうちではお薬を飲ませていただき、病院で包帯を交換して
皮膚を再生させていきます。場所によっては一度に外科をして治す場合が
ありますが、大事なことは、汚染状態の見極めをすることだと思います。
化膿の状態が続いても、皮膚は再生してきません。綺麗な状態になって
肉芽組織が出てきて、治癒していきます。
また外傷は細菌感染だけでなく、ウイルス感染も起こします。代表的なの
が猫白血病ウイルス感染症、猫エイズです。
ケンカ、交尾などなどで感染する可能性が高い病気です。
外に出る子は避妊、去勢は必ず。またワクチン接種も行いましょう。
写真1
傷を洗浄して、数日後。化膿自体は落ち着き、細菌感染もコントロールできました。
とても皮膚が動く部分になるので、この後手術して閉鎖しました。
写真2
受傷し、数日たった傷です。白色の膿がたまり汚染されている状態がわかります。
場所の問題もあり、壊死組織を除去し外科的に治療しました。
外に出れば必ず、ケンカ、事故のリスクはあります。
ワクチンなどの予防、傷や何かしらの異常を見つけたら早めに病院に連れて
来るなど、心がけて頂けると良いと思います。
更新日:2015年6月23日
猫の口内炎はとても、厄介です。腫れ、痛みが伴い、食餌もとれなくなって
しまいます。
通常の治療は、抗生物質、抗炎症薬、サプリメント、インターフェロン療法
などの治療があります。完治はないにしても、一時的な強い炎症を抑える事
は可能です。しかしながら、痛みが薬を使っても落ち着かない、投薬の頻度
が増えて大変な場合の選択肢の一つに全顎抜歯という外科治療があります。
この治療は、前方の犬歯、切歯を除く歯を全て抜く治療になります。
手術後の完治成績は70%と言われていますが、飼い主さんは健康な歯を
抜くのはかわいそう、ご飯が食べれないんじゃないかと言われる方も多いです。
奥の粘膜が腫れると、猫の尖った歯は、その粘膜部をグサグサと刺激し、
強い痛みと炎症を強くしていしまいます。ご飯に関しては、問題なく食べれる
ようになります。
当然、色々な治療と、方向性をしっかり飼い主さんとお話しした上で
じっくり考えてもらう治療だと思います。
抜歯後写真「下顎」
更新日:2015年6月10日