僧帽弁閉鎖不全症は、中高齢の小型犬に多く見られる病気です。
左心房と左心室の間にある僧帽弁が分厚く肥厚して、しっかり閉まらなくなること
で通常、左心房から左心室にいく血液が、左心室から左心房へと逆流してしまいます。
少しずつ逆流により左心房にかかる負担が増えることにより左心房が大きくなっていきます。
また、その圧力に耐えれなくなった時に肺に負荷がかかり浮腫となって「肺水腫」
を引き起こします。内科治療では完治を目指すのではなく、安定化を求めるものな
ので、個人差もありますが、必ず少しずつ進行する病気です。少しでも元気に長生
きしてもらう治療になります。
僧帽弁閉鎖不全症の診断をし、治療を開始。1年後に肺水腫を起こした子になります。
2019 (左室長軸断面)
LA:左心房 LV:左心室 1年で左心房が大きくなっています
2020
2019 (心基部短軸断面 )
LA(左心房)/AO(大動脈)比 によって左心房の
大きさを測定します。
2020
2019 (左傍胸骨像)
逆流速と波形を見ていきます。悪化すると
鋭い波形になります。
2020
2019(右短軸 Mモード)
左心室の拡張状態をみます。1年で左心室も
拡張しています。
2020
当院の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、内科治療になります。
僧帽弁閉鎖不全症はステージを見て、治療計画を立てていきます。
悪化しているか、また悪化している場合は、どういう状態になっているのか
をしっかりと判断する必要があります。