薬を飲んでも全くよくならない。いや酷くなっていく。そういった場合
考えなければならない病気があります。外部寄生虫です。
これらは肉眼では見えない物もありますが、初診の検査で検出されないこと
もあります。当然、念頭には入れておかなければいけません。
今日はノミ・マダニとは別に、今年当院で見つかった外部寄生虫をご紹介します。
No.1 ニキビダニ☆☆(皮膚)
通常皮膚に存在する寄生虫でもあります。免疫力の低下や遺伝的要因が
原因で全身に広がり症状を起こします。
痒みがひどく起こり、炎症をおこし二次的に細菌感染も起こります。
No.2 ハジラミ☆☆(皮膚)
皮膚を痒がって、凄いフケが出るんです。と来院されます。
ん??フケが動いていますね。。。
顕微鏡で観察するとこのような寄生虫が観察されました。
猫ハジラミです。ノミと同様の薬で駆除できます。人に
寄生しませんが、猫ちゃんの体で生活をします。卵を産んで
幼虫になり、成虫になり。。。お家になるわけですね。
No.3 東洋眼虫☆☆(眼表面)
にゅるにゅると眼の表面に動いている物がいます。。目ヤニではないようです。
これはメマトイという虫が運んでくる寄生虫です。
この子もそうですが、結膜炎を激しく起こすことがあります。瞼の裏
隙間に隠れるため飼い主さんが気付かないこともあります。
卵を産んだりはしませんが、多数寄生していることが多いので摘出が必要です。
その後は結膜炎の治療になります。最近山形でも増えてきたようです。。
No.4 ツメダニ☆☆(皮膚)
うさぎちゃんの皮膚に寄生していました。皮膚炎を起こし脱毛していました。
顕微鏡で見ると。。うん いますね。痒かっただろうに。。。
No.5 疥癬☆☆☆(皮膚)
ツメダニとあまり変わらないような。。そうですね。ここまできたら
どれが何かがわからなくなってしまいます。
この寄生虫は悪化すると皮膚の柔らかい部分のワキなどにダニ塚と
いう巣を作って生活していきます。当然卵も生んでしまいます。
最近この子を触ると痒くなるなあ。。などは要注意です。
人に寄生することはありませんが、
ダニが手でモゾモゾ歩くことで、かゆみを起こしたり、あとは
アレルギー反応を起こしたりで人にも多大なる影響を起こします。
何匹いるかわかりますか??耳の中に寄生するミミセンコウヒゼンダニです。
若い犬猫、外に出る猫ちゃん耳の中をのぞいてみて下さい。黒い耳垢がたくさん
ついていませんか?この寄生虫は耳のカスを食べ生活しています。
たくさん寄生すればするほど排泄物も多く出ますから、どんどん黒い耳垢が
たまります。痒みが強いです。
外部寄生虫の治療で一番難しいのは発見できない場合があることです。
当然、基礎疾患(アレルギーや内分泌の病気など、糸状菌症、)など
あるとなおさらです。皮膚に関しては、こまめに検査していますが
理由は「見落としがなくなるようにするため」です。回数が多ければ
多いほど検出できる確率もあがります。治療反応がない場合、試験的に
寄生虫駆除の治療を行うこともあります。