暖かくなると、外でケンカをして帰って来る子がよく来院されます。
通常は、腫れ、化膿し、強い痛みを伴うことが多いです。
当院での治療は、必ず患部周囲を大きく毛刈りし、しっかり生理食塩水で
洗います。おうちではお薬を飲ませていただき、病院で包帯を交換して
皮膚を再生させていきます。場所によっては一度に外科をして治す場合が
ありますが、大事なことは、汚染状態の見極めをすることだと思います。
化膿の状態が続いても、皮膚は再生してきません。綺麗な状態になって
肉芽組織が出てきて、治癒していきます。
また外傷は細菌感染だけでなく、ウイルス感染も起こします。代表的なの
が猫白血病ウイルス感染症、猫エイズです。
ケンカ、交尾などなどで感染する可能性が高い病気です。
外に出る子は避妊、去勢は必ず。またワクチン接種も行いましょう。
写真1
傷を洗浄して、数日後。化膿自体は落ち着き、細菌感染もコントロールできました。
とても皮膚が動く部分になるので、この後手術して閉鎖しました。
写真2
受傷し、数日たった傷です。白色の膿がたまり汚染されている状態がわかります。
場所の問題もあり、壊死組織を除去し外科的に治療しました。
外に出れば必ず、ケンカ、事故のリスクはあります。
ワクチンなどの予防、傷や何かしらの異常を見つけたら早めに病院に連れて
来るなど、心がけて頂けると良いと思います。